荒川区南千住にある商店街、ジョイフル三の輪。
品揃えの多いお総菜屋さんや、昔からあるパン屋さんがあり、歩くだけでワクワクします。
ある日、いつものようにジョイフル三の輪を歩いていると、不思議な建物がありました。
看板には、なにかし堂と書かれています。ガラス越しに中をのぞくと、子ども達がワイワイと遊んでいました。
「いったい、ここはどんな場所なんだろう」と、気になること数か月。
ついにその扉を開けてみると、なにかし堂はすてきなコミュニティスペースだとわかりました!
1階は街の図書館、放課後は子どもの遊び・学び場
扉を開けると、スタッフの方々が笑顔で迎えてくれました。
初めに目に着いたのは、壁一面の本棚。本の数はなんと2000冊を超えます。
本のジャンルはビジネス書から漫画までさまざまです。
本は無料で借りられます。期限は特に決められておらず、「2、3週間程度で返してくれれば」とのことです。
子どものいる保護者向けの本や、絵本、小学校低学年や高学年向けなどが、わかりやすく棚に整理されています。
流行の漫画もあり、思わず手に取りたくなるようなものばかり。
ピアノやぬいぐるみも置いてあり、壁にはカラフルなイラストが掲示されていました。
なんだか肩の力を抜いて過ごせるような雰囲気です。
2階は秘密基地のような学習塾
階段を登り2階にあがると…
天井が高く、開放感あふれる空間に驚きました!
古民家の屋根裏部屋のような作りになっています。
ちゃぶ台や机、くつろげるソファーもあり、なんだか秘密基地のよう!
学習塾と聞き、黒板があり、机と椅子が並んでいる教室をイメージしていたのですが、全く違いました。
なにかし堂では、勉強に苦手意識、やらされ感をもっている子どもが多く学びにくるそうです。
勉強を教えるのは、ユニークなスタッフ。なかにはモデル活動をしながら勉強を教えに来ている方もいるようです。
ユニークな人材を採用することにより、単に勉強を教えるのではなく、それぞれの子どもに合わせた視点で関われるようにしています。
どんな人でも受け入れてくれる場所、なにかし堂
なにかし堂は子どもから高齢者までさまざまな人が訪れる場所だと、店主の方は言います。
子どもにとっては遊び場であり、学び場でもあります。
そして、保護者向けには「ママたちの自分時間」というイベントも開催しており、ママ友の会も開かれるそうです。
高齢者には、東京都立大学看護科と連携し「暮らしの保健室」をやっています。
身近に健康や暮らしの相談にのってくれる場所があると、安心ですよね。
それだけではなく、認知症予防のために訪れる高齢者もいらっしゃいます。
ちょうど見学している最中に、高齢の女性が「〇〇さんいる?」と、なにかし堂の扉を開けました。すぐさま奥から出てきたスタッフの方が女性と親しく会話を始めます。
「何をするのかなあ」と思っていると、スタッフの方と一緒に高齢の女性は英語の勉強をし始めました。
「何かを始めるのに遅いことはないんだ」と一生懸命に勉強をする姿に勇気づけられました!
さまざまな年齢層の方が訪れる場所、なにかし堂。
ホームページには「その人が、そこに居る。それでいい。」と大きく書かれています。
訪れる人の存在を認めてくれる場所だと、その言葉に集約されていますね。
なにかし堂の今後にも期待
なにかし堂の前には、まちなか掲示板があり、ジョイフル三の輪のイベントの案内や街の人の声が掲示されていました。
店主の方に今後の展望を聞くと、商店街全体を盛り上げていきたい、という思いがあるそうです。
キッチンを作り、子ども食堂を始める予定もある、と話されていました。
これからの活動も楽しみですね!
勇気を出して訪れた結果、なにかし堂には、どんな人でも受け入れる居心地のよさがありました!
ぜひ、なにかし堂へ足を運んでみてください!きっと、あなたの居場所も見つかるはず。
なにかし堂
住所:東京都荒川区南千住1-25-11
アクセス:都電荒川線「三ノ輪橋」から徒歩4分
東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」から徒歩8分
営業時間:13:00-19:00
定休日:水曜日