ある日、散歩しているととても大きな公園を見つけました。
自転車の練習をしている親子や犬の散歩をしている人、おしゃべりしている学生たちがいます。
でもこれだけ広い公園にしては遊具がないなぁ、と少しだけ違和感を覚えました。調べてみるとそこは防災時に役立つように整備された公園だったのです。
いつ起きてもおかしくない災害。今一度防災について考えてみませんか。
水害時や水の確保に備えられた設備
防災広場根岸の里は消火活動時に消防車が通りやすいように整備された場所で、普段は公園として開放されています。
正面の入口から入り、右手にあるのは「土のうステーション」。土のうとは、砂が詰められた重さのある袋のことです。大雨の際に家の中への浸水を防ぐことができます。
何気ないベンチや水飲み場にも防災の視点が組み込まれていました。
奥にあるベンチは「かまどベンチ」と呼ばれ、座面を外すと炊きだし用のかまどになるそう。普通のベンチだと思っていたので、そんな仕掛けがあることにおどろきました。
水飲み場は非常時に生活用水として使用できるようになっています。ちなみに、この下は「防災貯水槽」となっており約100tもの水を貯められるそう。
さらに奥へ進むと、手押しポンプを発見。飲み水としては使えないものの生活用水として使用できるようです。
そのほかにも深井戸が設置されていて、もし断水してしまっても洗い場へ水を供給できるようになっていました。
電気が使えなくなったら?
空を見上げると、ソーラーパネルがいくつかありました。
停電になったときでも、ソーラーパネルで発電して照明を維持できるんだとか。公園内の電気設備は発電機を接続することで使うことができます。
何気なく見ていたこの時計も、ソーラーパネルで停電時も動くそうです。意識して見なければ、気付くことがなかったでしょう。
気になるトイレは?
公園内にはもちろん、男女別々のトイレにオムツ換えシートが備えつけられた多目的トイレが設置されています。
それ以外に、びっくりしたのは公園内に点在するマンホールです。ただのマンホールかと思いきや、災害時にテントを張るとトイレになる仕組みになっているとのこと。
ただでさえプライベートな空間が必要なトイレが1か所だけではなく、複数あるのは不安が軽減されますね。
あらためて防災対策を考えよう!
公園内を囲むようにして植えられた樹々は「植栽帯(しょくさいたい)」と呼ばれ、公園内に火災が広がるのを防ぐ役割も担っています。
こういった設備が整えられた公園があると、住民としては安心ですね。
しかし何より大切なのは日頃の備え。災害が起きたときのことをシミュレーションして、必要な食料品や貴重品をまとめておいたり、家族と集合場所を話し合ったりすることも忘れてはいけません。
お住まいの地域の避難所マップも確認しておきましょう。
私が防災広場根岸の里を訪れたのは、ちょうど紅葉がきれいな時期でした。春には桜も見られるようです。
何気なく公園内をぐるりとしただけで、防災について考えるきっかけになりました。散歩や買い物のついでもかまいません。防災広場根岸の里で、あらためて防災について考えてみてはどうでしょうか。
防災広場根岸の里
住所:東京都台東区根岸3丁目12番
アクセス:JR各線「鶯谷駅」から徒歩約6分
東京メトロ日比谷線「入谷駅」から徒歩約6分
JR各線「日暮里駅」から徒歩約15分