咲くように香る和紅茶の世界。町屋の「TEAROOM Yoshiki Handa」

どことなく懐かしい雰囲気が魅力的な町屋駅周辺ですが、商店街のある尾竹橋通りを歩くだけでは、実はもったいないのです。
知る人ぞ知る個人店を訪ね歩く、という楽しみ方もできるエリアです。

商店街を少しだけ外れた住宅街にある「TEAROOM Yoshiki Handa」も、そんな個性あふれるお店の1つです。
国産紅茶とケーキ・焼き菓子のお店です。

紅茶のベストパートナー!素材を楽しむスイーツ

入店して最初に目に入るショーケースのケーキは、どれもきれいで迷ってしまいます。
テイクアウトのお客さんもひっきりなしに入店されていて、洋菓子店としても人気があることが伺えます。
新作のお菓子が出るとインスタグラムで紹介されるので、チェックしてからお店に行くのもおすすめです。

こちらは、あまりにおいしそうだったので別の日に出直してテイクアウトしたモンブランです。もう一度買いに行って大正解でした!
ゴロッと1つ入っている大きな栗と、ミルク感たっぷりのクリーム、ほんのりと香る洋酒のハーモニーが最高です。甘さは控えめで、上品な味わいです。
底にはクッキーも隠れていて、最後のひと口まで感動しっぱなしでした。

急須で淹れる紅茶はどんな味?和紅茶のおいしさを知る

奥のカフェスペースでは、淹れたてのお茶をいただくことができます。
日本各地のお茶から2種類と、焼き菓子を両方楽しめるセットがあったので、今回はそちらにしました。
紅茶はもちろん、煎茶やほうじ茶のメニューもあります。
国産の紅茶にはなじみがない方が多いと思いますが、味をイメージしやすいように説明してもらえるので安心です。
私も紅茶には詳しくないのですが、自分の好みに合いそうなお茶を注文することができました。
注文すると、目の前で紅茶を淹れてくれます。ポットではなく急須で淹れるのは、和紅茶ならではですね。
焼き菓子の甘い香りと、包み込むような紅茶の香りがただよってきて、飲む前からほっとした気持ちになりました。

季節のお菓子、「栗とクルミのタルト」と一緒に運ばれてきたのは、「茨城猿島在来」です。
オレンジがかった色がとてもきれいです。
こちらの品種は、スモーキーな香ばしさが焼き菓子の風味と相性が良いということでおすすめしてもらいました。
ひとくち飲んだときの、柔らかく優しい口当たりがとても印象的でした。
タルトも絶品でした。栗のねっとり、しっとりとした食感がコクのあるクリームとよく合います。クルミのわずかなほろ苦さもアクセントになっています。
サクサクのタルトの部分を食べてから紅茶を口に含むと、香ばしさとバターの風味が鼻に抜けて、単独で飲むのとはまた違った風味が楽しめます。

2杯目の「熊本芦北香駿」は、運ばれてきたときの香りの良さに驚きました。
お花のような、フルーツのような、華やかなふわっとした香りがマスク越しなのに感じられるくらいでした。
風味もほんのりした甘みがあり、すっきりとしていてとても飲みやすい紅茶でした。

目でも味わって。ティータイムを演出する空間

たまたまかもしれませんが、ライトが紅茶に花のように映るのもかわいらしかったです。
照明は明るすぎず、色味や当たり方がとても工夫されていると感じました。
紅茶の色までしっかり楽しむことができます。

茶葉のふるさとをおさめた写真も、スポット照明に映えています。紅茶になる茶葉も、最初はみずみずしい緑色なのですね。
「やぶきた」などは有名ですが、緑茶としてよく見かける品種を紅茶で味わってみても、新たな発見があっておもしろそうです。

11月下旬に伺いましたが、一足早いクリスマスツリーが出ていました。小窓のちょっとした茶器や小物も季節感があってすてきです。
お茶もできる小さいギャラリーにお邪魔したような、なんだか贅沢な体験でした。
「TEAROOM Yoshiki Handa」は本格的なこだわりを込めつつ、国産紅茶の世界へと優しくいざなってくれるお店でした。
日本のお茶を再発見しに、一度のぞいてみませんか。

TEAROOM Yoshiki Handa
住所:東京都荒川区町屋3丁目6-1
アクセス:都電荒川線「町屋駅前駅」より徒歩約6分
東京メトロ千代田線「町屋駅」より徒歩約6分
京成本線「町屋駅」より徒歩約6分
営業時間:11:30-19:00(イートインのラストオーダー18:00)
電話番号:03-6770-3166
定休日:月曜日、火曜日(不定休日あり)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。