梅雨が明けて、本格的な夏がやってまいりました。夏の始まりの楽しみといえばさまざまですが、毎年この時期にしか見られない風景があるのをご存知でしょうか?
それは蓮池に咲く蓮の花です。
上野不忍池にはたくさんの蓮があり、この時期になると一斉に花を咲かせます。
早朝に花開き、昼には閉じてしまう特別な時間を見逃さないように、この日は朝早起きをして、出かけてきました。
早起きは三文の徳?
上野不忍池は上野恩賜公園の南西に位置する、周囲約2㎞の天然の池です。真ん中にある弁財天を区切るように3つの池に分かれており、蓮池は南側にあります。
散策できるように遊歩道があり、蓮池テラスと呼ばれるデッキは絶好の観賞場所です。
だいたい朝の7時頃に蓮の開花が見られるということなので、その時間を目指していくのが良いでしょう。
私は6時半頃着きましたが、すでにカメラを構えた人、ジョギングやお散歩を楽しむ人が多くいる事にとても驚きました。みなさん、早起きなのですねえ。
さあ、蓮池テラスに到着しました。
青い空と緑の大きな葉に囲まれたテラスは清々しく、空気が澄んでいます。心なしか、この場所だけ空が大きく開けているようでとても気持ちが良いです。
日が差してくると、蓮は開花をするようなので、その時間を静かに待ちます。
蓮を知ろう
蓮池テラスには、不忍池の蓮を知るための看板が設置してあります。
この地に誰がどんな目的で、蓮の花を植えたのでしょう?
蓮池は古い浮世絵に描かれていたり、和歌に詠まれていたりと古くから親しまれているようですが、いつ誰が植えたのかは解っていないようです。ただ、いろいろな言い伝えがあり、植えたのは寛永寺の和尚という説や、弁天島を作った人物という説があるようです。
このような話はとても興味深く、はたまた江戸時代の文献には紅白の花があったと記載されているなど、この蓮池のことを歴史を交えて知ることができます。
神秘的な美しさ
歴史ロマンに思いを馳せている間に、花が開いてきたようです。私もカメラを構えて、いざ。
先ほどまで閉じていた蕾が開きました。
透き通るような淡いピンクの花弁が、なんともいえない美しさでうっとりと見とれます。
極楽の花と言われたり、神話に出てくるのはこういった儚げな美しさからくるのでしょう。
このテラスでは、近くでじっくりと花を観察することができます。
見とれてばかりで危うく写真を忘れるところを、近くにいた方が写真を撮るよう促してくださいました。
どうでしょう?
上手く撮れていますでしょうか?
まだまだ、修行が足りませんかね、いいカメラが欲しいです。
と、周囲の方々と写真を見せ合ったり雑談を交わしながら楽しく、神秘的な時間を過ごすことができました。
そして、気が付いた時には30度を超える暑さ!熱中症対策も忘れてはなりません。
こんなステキな風景に出会える場所が近くにあるのは、なんとも得をした気分で良い1日が始められそうです。
8月上旬までは見ごろです。みなさまもぜひ、早起きしてお出かけしてみてはいかがでしょうか。
不忍池 蓮池テラス(上野公園内)
住所:東京都台東区上野2丁目12 上野公園
アクセス:JR山手線・京浜東北線・高崎線・宇都宮線
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 不忍口より徒歩 5分
京成電鉄 京成上野駅より徒歩1分