樋口一葉の名作が生まれた地、竜泉「台東区立 一葉記念館」

日本文学を代表する女性作家、樋口一葉はみなさんご存知のはず。
文学に少しうとい方でも、5千円札の人といえばもうピンと来るでしょう。

樋口一葉はかつて下谷龍泉寺町(現在の台東区竜泉)で暮らしていたことがあり、代表作のひとつ「たけくらべ」の舞台は龍泉寺町なのです。
あらためて「たけくらべ」のストーリーを振り返るとともに、今日はゆっくりと「一葉記念館」で文学の世界に浸りたいと思います。

昭和36年開館です

三ノ輪駅を降りて、国際通りと土手通りの間を南へ5分ほど進むと、一葉記念館の案内板が見つかります。
それと同時に、周囲には「一葉」の名がつくおせんべい屋さんや、お人形屋さんが軒を連ねており、この土地が樋口一葉と関連深いことが街並みでわかります。

「一葉記念館」は、かつて一葉が暮らした竜泉に、昭和36年に地域の方々の協力を得て開館したのだそうです。
現在の建物は、一葉が「5千円札の肖像」に採用されたのを機にリニューアルされ、記念公園と併設されています。
一葉が亡くなったのは1896年ですから、没後「一葉」を愛する思いは時代を超えてもなお、ずっと変わらずこの地に根付いていると言えるでしょう。

記念公園には、記念碑もあります。

美人薄命なのでしょうか

それでは、さっそく入館しましょう。
「一葉記念館」は1階から3階まで展示室があります。入り口を入るとすぐに一葉の肖像画がお迎えしてくれます。なんとも優しい、穏やかなお顔立ちですね。

隣にある年表を見ますと、「たけくらべ」を発表したのは23歳、そしてその翌年わずか24歳で病気のため亡くなっているのです。
昔の人が短命とは言え、あまりにも早すぎる人生だったのではないでしょうか。

直筆原稿が見られます

展示室内は、撮影できるものとできないものがあり今回掲載の写真は撮影可能なものです。
展示室では、直筆原稿や一葉の生涯に携わった品々があり、貧しいながらも家族を支えながら文学に勤しんでいたことがよくわかります。

また、企画展では「たけくらべ」入門が10月23(土)〜12月19日(日)の期間で開催されており、「たけくらべ」がどのように生まれ、読み継がれてきたのかを知ることができます。

たけくらべのあらすじ

では改めて「たけくらべ」のあらすじをざっとおさらいしてみようと思います。

舞台は龍泉寺、吉原遊廓の近くです。
ゆくゆくは遊女になる少女と、僧侶になる寺の息子の間でわき起こる淡い恋の物語。
すれ違いながらもお互いの気持ちを確認しながら大人へと成長していく模様が描かれています。
タイトルの「たけ」には「身の丈」や「思いの丈」という意味が込められているということです。

改めて、じっくりと本を読み返してみたくなりました。
古文では読みにくくても、漫画や現代風に書き換えられている作品も多くあり、親しみながら読むこともできます。

吉原今昔図

最後に、吉原の明治27年から平成への移り変わりを模した今昔図を手に入れました。
受付で2500円で販売しています。
「たけくらべ」を読みながら今昔図を見ると、なんとも感慨深く、この界隈が江戸の中心地であったことを象徴するような素晴らしい図です。

そのほかにも、まち歩きマップや近隣の歴史がわかる冊子も無料でもらうことができます。
みなさまもぜひ、歴史と文学を学びに「一葉記念館」を訪れてみてはいかがでしょうか。

台東区立 一葉記念館
住所:東京都台東区竜泉3-18-4
アクセス:東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅より徒歩10分
TEL:03-3873-0004
開館時間:9:00〜16:30(最終入館16時)
〈酉の市〉の日は、開館時間を午後7時(入館は午後6時30分)まで延長
一の酉 11月9日(火) 二の酉 11月21日(日)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は翌日)
入館料:大人300円、団体(20名以上)200円
小中高生100円、団体(20名以上)50円