皆さんは「角打ち」を経験したことがありますか?
角打ちとは、酒店で販売されている商品を店舗の中で嗜むことができる業態のお店のこと。
今回は荒川区の南千住にある「モリタヤ酒店」に行ってきました。
住宅街にある老舗の酒店

最寄りの駅は、都電の「荒川区役所前駅」や「荒川二丁目駅」です。
荒川区の住宅街を歩いていくと突如現れるこちらのお店。
住宅街にポツンと建つ佇まいで、周りに商店はほとんどありませんでしたが、昔は周辺に商店が集まっていて鮮魚店や豆腐店もあったそうです。
店先には地酒の一升瓶が飾られていて、「日本酒にこだわりがあるお店」という雰囲気を醸し出しています。

大正15年から続く創業百年の老舗で、いまは4代目が切り盛りしています。
酒の銘柄が印字された古い看板やポスターなどが店内に飾られていて、歴史を感じることができます。近所の人はもちろん、珍しい銘柄を求めて遠方から訪れるお客さんも多いんだとか。

酒店に隣接する角打ちスペース

小売販売のオープンは10時からですが、平日だと16時からその隣の一角に簡易テーブルが設置され、そこが角打ちスペースとなります。ここでお酒やおつまみを注文してスタンディングで飲食するシステム。
土日祝日だと角打ちは12時オープン。

注文はお店の壁に掲げられているメニューから。
日本酒をメインにクラフトビールなども種類豊富に揃っています。真剣に選ぶと少し時間がかかってしまうかもしれません。
ちなみに、2025年の4月から一部商品の価格を改定する予定とのこと。お店を訪れた際に確認してみてください。
おつまみは角打ち定番の乾き物や缶詰だけでなく、「玉こんにゃく」や「赤鶏炭火焼」など調理されたメニューも用意されています。こういったメニューがあるのもおすすめポイントの一つ。

まずは、すっきりとした柑橘系のサワー「晩白柚サワー(400円)」を注文。晩白柚の果汁をミックスした焼酎を炭酸で割ったお酒です。
柑橘の風味が色濃く感じられ甘さ控えめですっきりさわやかなテイスト。ほのかに皮の風味も漂います。
おつまみは、気になった「熟モッツァレラチーズ ころ(350円)」を選んでみました。甘くてクリーミーな味わいでミルク菓子を食べているようです。珍しい一品。
満を持して地酒飲み比べセットを注文

さてそれから、本日のメインとして地酒の飲み比べ「日本酒3種セット(950円)」を注文します。こちらは1杯60mlのグラスが3つ。黒板のメニューにある6種類から3つを選択します。
熟考した末、「谷川岳」「まんさくの花」「十六代九郎右衛門」に決めました。カウンター越しからグラスに注いでもらいます。

注ぎ終わった後、写真を撮りやすいように一升瓶を並べてくれました。
おつまみは「ふきのとう(220円)」と「野生種なめ茸(150円)」にしました。「山の幸2点盛り(300円)」だと一品で両方のメニューを味わうことが出来ますが、少し多めに食べたかったのであえて単品での注文を断行。
酒とおつまみを並べて準備万端

陣取ったスペースに並べてみるとこんな感じです。春の風が店内にそよぐなか、良く冷えた日本酒をチビり。
先ず左の「谷川岳 超辛」は群馬県の地酒で、辛口のきりっとした舌触り。酸味も程よく、口に含むとふんわりとしたやさしい印象に変化して飲みやいお酒です。
続いて真ん中にある「まんさくの花 神力70」は、まろやかな口当たりが好印象の秋田県のお酒。「神力」という明治時代に広く流通していた米を醸してできています。精米歩合70%とは思えないフルーティさ漂う高級感のあるお酒でした。
さいご右にあるのが「十六代九郎右衛門 ひとごこち」。お店の小売りスペースにこちらのお酒が多く陳列されていたので、おすすめの銘柄なのかもしれません。
長野県のお酒で滋味深い味わい。うま味や甘味の中に渋みや香ばしさも含んだ複雑なテイストが楽しめるお酒でした。
ラストオーダーは21時、仕事帰りにも立ち寄れる

ふきのとう、なめ茸など地酒にピッタリのおつまみと一緒に東日本の銘柄三種を楽しむことができました。
日本酒の種類もいろいろありますが、クラフトビールなどの銘柄もたくさんあって選ぶ時間を楽しませてくれます。アルコールメニューは、ほぼ毎日どこかの表示が替わっているとのことなので、さまざまなお酒との一期一会を味わうことができます。
ラストオーダーが21時で営業時間は21時30分まで。近所に住んでいれば仕事帰りや帰宅してから風呂上がりにちょっと一杯、というのも乙な利用方法ですね。
モリタヤ酒店
住所:東京都荒川区南千住6-17-5
アクセス:東京さくらトラム(都電荒川線)「荒川区役所前駅」から徒歩約8分
TEL:03-3805-2805
営業時間:月・火・木・金 16:00-21:30
土・日・祝日 12:00-21:30
定休日:水曜日ほか不定休