都電荒川線・荒川車庫前を下車してすぐの場所にある「都電おもいで広場」。
懐かしい停留場をイメージしたスペースに貴重な都電の旧型車両2両が展示されています。
振替休日を含む土日、祝日の10時から16時までの時間に開場し、入場は無料です。
この記事ではその見どころをご紹介しましょう!
往年の電車が展示「都電おもいで広場」

「都電おもいで広場」では、通勤・通学をはじめ人々の足として1950年代から1960年代に活躍した2両の電車が展示保存されています。
当時の路面電車を知っているご年配の方には、懐かしく感じる車両ではないでしょうか。
屋根付きで保存されており、大切に扱われていることが分かります。
また、外から眺めるだけでなく、電車内に入ることも可能。
ここからは、それぞれの電車とその内部の様子をお伝えしますね。中には都電にまつわる資料などがいろいろと展示されていますよ。
興味深い資料がたくさん

広場正面にある、こちらの電車は昭和37年製造。朝ラッシュ時の通学輸送に活躍し「学園号」の愛称で親しまれたそうです。
入口は、いつものっている電車とそんなに変わらない印象。中に入ってみましょう。

まず初めに目に入ったのが、昭和35年の電車案内図。今ではなかなか見かけない、手書きの案内図です。都内に路線網が張り巡らされていたことが分かりますね。
当時は無軌条電気(トロリーバス)も走っていた様子。一度のってみたかったです。

こちらは、関東大震災以前の路面電車が走る都内の風景写真です。
写真を見ると高い建物はありませんが、時計塔もあり、100年前に東京がすでに文化都市であったことが分かります。
時計店の看板文字が右から書かれています。時代を感じますが、人々の身近な足としての役割は、昔も今も変わらないようです。

荒川線の各停留所付近の自然と建物の風景が描かれた水彩画が展示されていました。優しいタッチで描かれており、気持ちが少しあたたかくなるような絵です。

次は、広場左側のPCC号に入ってみました。
昭和29年製造で運行当時の最新鋭の技術が使われた車両のようです。今の車両には見られない流線型が美しい車両です。

中には手作り感のある体験コーナーがあり、3〜4歳くらいのお子様が楽しそうに車内アナウンスが流れるボタンを押していました。

車両の奥には、運転が疑似体験できるコーナーも。シミュレーション用のディスプレイが結構本格的です。

都電沿いの風景を切り取ったジオラマがありました。
どの辺りの風景なのかはわからず、ひょっとしたらジオラマを作った方がイメージした架空の街並みなのかもしれません。
ジオラマ内には、新旧のいろいろな形式の車両が揃っていて、現役の車両が軌道内を走行しているところにリアルさを感じました。

ガラスケース内には、ヘッドマークや案内板など都電関連のグッズが展示されています。どこかで見た記憶があるものもあり、懐かしい気分です。
見るだけでなく、体験もできるアトラクション風の車内になっていて、大人でも楽しめました!
交通手段としての役目は終わり、お客様を運ぶ電車としては、現役の仕事を引退している2両の電車。
しかし、過去を今に伝える資料館として、現在も現役の仕事をしています。
人間の仕事も電車の仕事も「現役」「引退」は確かにありますが、それは役割を果たすこと、終わることに過ぎないと思います。
何かしらの役割があれば「現役」であり「引退」は、そう来ないものなのかもしれません。
生涯何かの役割を社会や他人から任される人間でありたいと、堂々とした2両の電車の姿に考えさせられました。
身近な場所で都電ワールドを楽しめた時間でした。2両には、これからも荒川区の街並みを、また都電荒川線をいつまでも見守っていて欲しいですね。
アートな電車作品

広場の右側面には、ペットボトルのキャップを材料としたポップな都電アートがありました。
都電がアートになるとは意外な発見。荒川線の愛称「東京さくらトラム」という文字も表現されていて、他の鉄道を走る車両にはないかわいらしさがありますね。
都電おもいで広場の入場料金は無料。展示されている2両が広場のメインです。休憩スペースに椅子とテーブルもあり、またユニバーサルトイレも設置されています。
ぜひ、次の休みに足を運んでみてくださいね。
都電おもいで広場
住所:東京都荒川区西尾久8-33-7
アクセス:都電荒川線「荒川車庫前」下車すぐ
TEL:03-3893-7451
営業時間:10:00-16:00(振替休日含む土日祝日のみ)
定休日:月-金曜日